今年度のすこやか検診が来月からスタートします。

先日説明会に参加し、令和5年度のすこやか検診の結果報告を拝聴させて頂きました。
いくつか気になる情報があったのでピックアップして記載します。

・令和5年度にすこやか検診で発見された大腸癌症例のうち、早期の粘膜内癌で便潜血が2回とも陽性だったのは56%しかなかったとの事です。既に早期大腸癌を患っている4割以上の方は1回の便潜血検査では陽性反応が出なかったという事ですので、やはり便潜血検査は1回でも陽性になったらしっかり内視鏡検査を受けるべきだと痛感するデータでした。

令和5年度にすこやか検診で発見された大腸癌症例のうち、進行大腸癌だった症例の55%は前年度すこやか検診の便潜血検査は陰性だった、との事でした。通常1年で何もない大腸から進行大腸癌が発生するとは考えにくいため、恐らく前年は既に早期大腸癌あるいは進行大腸癌が既にあるが便潜血検査にひっかからなかったと考えるべきかと思います。便潜血検査も万能ではなく、便潜血陰性=大腸癌ではない、というわけでは決してない、という事なのだと改めて感じました。

・肝臓の方でFIB-4indexをとりあげた検診を今年度から始める事になっています。FIB-4 index自体は肝臓を診る医者にとってはとてもポピュラーな指標ですが、これが検診に導入されるのは金沢市が全国初の試みとのことでした。この検診がどれぐらいの肝臓病の拾い上げに寄与するのか、今年度の検診結果の報告会が今から気になります。

すこやか検診対象の方々は、是非検診を受けて頂きたいと思います。癌は癌を疑った検査をしないと発見できません。かかりつけに通院している人も、普段の検査とは別に、検診はしっかり受けた方が良いです。

勿論当院でもすこやか検診は扱っていますので、金沢市から案内が届いた方は是非受けに来て頂ければと思います。

石田病院 副院長 石田晃介

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